丹波保津村の竹伐狸
どんな伝承か
丹波の保津村などでは、夜分にどこからともなく竹を伐る音がすることがあり、これを竹伐狸のわざだという。ちょんちょんと小枝を払う音がし、やがて株を挽き切ってざっと倒れる音までする。ところが翌朝その場へ行って見ても、竹は一本も伐られておらず何事も無い。柳田国男は『旅と伝説』十巻九号の報告としてこれを妖怪名彙のタケキリダヌキの条に収め、天狗倒し・空木返しなど、伐木の音だけを立てる同類の怪と並べて記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。