箕を直しに来る土窟のテンバ
どんな伝承か
東北地方でも磐城相馬郡の石神村には、毎年来住する数家族があった。二宮徳の談によれば、この村の外山の山腹には十数の土窟があり、村民はこの穴から煙が出るのを見て、今年も来ていると気づいたという。この地方では彼らをテンバと呼んだ。ささら箒なども作って売るが、主としては農家の箕を直すことを生業とした。村民とは年久しい馴染みとなっていて、テンバの女房は家々を回って注文を聞き、箕を持って土窟へ帰って行ったという。箕直しの職業は関東のいずれの地方でも特殊部落に属するもので、サンカの問題では極めて重要な観察点だと述べられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。