蛇の子を堕ろす菖蒲の節句のいわれ
どんな伝承か
昔、蛇が美しい姫に惚れ込んで通い、姫は蛇とは知らずにいたので子ができてしまった。蛇は菖蒲を嫌うから、その菖蒲を煮出して飲めば子は堕りるという。また五月の節句の頃は、菖蒲が生えると山などから蛇がたくさん出るので、屋根に載せたり縁の下に置いたりすると蛇が入らないとされ、まじないのように言われていた。菖蒲湯は虫に刺されないようにと、今でも続けているという。国分の藤城こうが語り、阿彦周宜が記録した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。