準備だけして働かぬ重右衛門の四人分
どんな伝承か
印内の重右衛門は雇い主から、仕事をする前に準備だけは先にやっておけとよく言われていたので、仕事に行く前に準備だけ済ませて、肝心の仕事はしなかったという。しかしいざ仕事を始めると、人の四人分も五人分も働いたと語られる。話者は子供の頃に父から聞いた話で、父も仕事も大事だが準備だけはきちんとやっておけと口癖のように言っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。