盆に五穀を盗むあぼしぼとり
どんな伝承か
八幡では盆の行事に「あぼしぼとり」があった。仏さまに供えるため、実のなる五穀をまこもで編んだ縄に逆さにつるすのだが、その品は青年たちが夜中の二時ごろ畑の縁から盗んでくるもので、公然と認められた盗みの風習だった。稲穂をはじめ、粟や稗、胡麻、蓮の葉などを取り、なかには西瓜を持ってくるいたずら者もいたという。盆は地獄の罪人や餓鬼、畜生道に落ちた者が一年に一度休む日だからだと語り手は説明している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年))
『市川の伝承民話 第6集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十年に発行した民話資料集である。昭和六十三年度から平成四年度にかけて市川市の下貝塚・八幡・平田・本行徳・香取などで聞き取った世間話・伝説・昔話・唄・年中行事・生活譚を、話者の語りに忠実に記録している。各話に話者と記録者を添え、新たに「現代若者の学校話」の部を設けて口裂け女や学校の七不思議などの怪談も収め、話者名簿・採訪者名簿・あとがきを付ける。