家内に憑いたお婆さんの死霊
どんな伝承か
東京・麻布の寺に小僧として勤めていた頃、八日・十八日・二十八日に参りに来る老婆が、親子ほど年の離れた話者を慕っていた。老婆は亡くなってからも毎晩あらわれ、手をこする所作をして「いつでもあんたに会いたくて」と訴えたという。霊を感じやすい前妻に憑いて、見たこともない老婆の格好をした。若かった話者は邪険に返していたが、やがて心を打たれて毎晩経を上げ、三年目あたりから出なくなったと語る。
原典より
あたしもねえ、お婆さん、あたしの知っていたお婆さん、東京のお寺に小僧しているとき、そのお婆さんがもう、毎ィ晩出るんですよ。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会・市川の伝承民話・平成11年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会・市川の伝承民話・平成11年刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第7集』を全143話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。