塩田の朝の砂撒き
どんな伝承か
塩田には二メートル四方ほどの箱がいくつも据えてあり、底には簀の子が敷かれ、その下にドラム缶が埋けてあった。一人に三つか四つの箱があてがわれる。朝行くと、まず蟹の穴で凸凹になった地面を、板に棒をつけた道具で平らにならす。それから箱の脇に積んである濡れた砂をシャベルですくい、人糞を撒くように薄く平らに撒いていく。厚く撒くと叱られた。撒いたあとは熊手のような木の道具で行ったり来たりして掻き回し、早く乾くようにしたと語る。
原典より
それでねあのう、朝まず行きますとね、ここに箱がいくつも、これもっといっぱいほんとあるんですけどね。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。