釜で煮詰める塩焼き
どんな伝承か
ドラム缶に溜まった濃い塩水を汲み取り、担いで土手の内側にある焚き場へ運ぶ。焚き場は銭湯の湯船のように二つほどに区切ってあり、その上に船の荷揚げに使うような厚い板が二枚ほど渡してあった。下からどんどん燃やして煮詰めると、砂糖水を溶かしたようにどろどろになる。それを柄杓で板の上のざるへあけると、天ぷらの油を切るように水が落ちてさらさらした塩が残る。苦汁も入れたのだろうという。塩は叭に詰めて脇の倉庫に積み、溜まると土手の上をトラックが取りに来たと語る。
原典より
今度これをね、ううん昔の汲み取り屋さんね、ありましたね。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。