放水路の先の蟹場の石蟹捕り
どんな伝承か
子どもたちは大人に連れられて魚の捕り方を教わり、それをまねて仲間にも伝えたという。蟹捕りもそのひとつで、このあたりにいたのはわたり蟹とは別の石蟹だった。藻が一面に生えた蟹場と、砂ばかりのあさり場とは方角が違い、朝にどちらへ行くかを皆で決めた。蟹場は今の放水路の先端の少し先にあった。手袋をはめ足袋を履いて出かけ、藻を踏んで足の裏に甲羅が触れたら動かさず、足の下へ手を入れて鋏を畳んだまま鷲づかみにする。卵を抱えた雌と雄はすぐ見分けがつき、持ち帰って釜茹でにしたという。
原典より
だからみんな昔の子供さんは、ほら、あの大人と一緒に連れて行かれて、こうふうにね。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。