尼が残した雨乞いの竜神掛軸
どんな伝承か
佐倉の高座木の山崎家には竜神様と呼ばれる掛け軸が伝わる。昔、日が暮れてから一人の尼が宿を求め、泊めてやると翌朝の出立の際に、この土地が日照りで水に困ったときはこの竜神を供養すれば必ず雨が降る、と言い残して置いていったものだといい、その霊験はあらたかだと伝えられる。この竜神は雄で、ほぼ同じころ印旛村の吉高でもやはり尼が一夜の宿の礼に残したという雌の竜神の掛け軸があり、二つで一対とされる。吉高の竜神を祀ると大風が吹くというのは、雌竜が風に乗って高座木の雄竜に会いに行くからだと語られている。
原典より
佐倉市高座木の山崎家に竜神様と呼ばれている掛物がある。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。