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集音機の真下で囁き合った恋の台詞

所在地宮城県仙台市青葉区
年代現代
登場保坂武義、回答者・体験者
出典現代民話考 12 写真の怪・文明開化

どんな伝承か

昭和一九年秋、私は仙台中央放送局に勤めたばかりだった。戦運の暗いなか、事務職の私と違って技術職の人たちは軍の依頼で電波の研究に励んでいた。二三歳の私は同僚のM子に恋をしており、執務の合間に屋上に出て囁き合っていた。耳を患って難聴だったので、相手も勢い声高になる。しばらくして同僚のYが慌てて駆け上がり、顔を赤らめながら、下の技術室に筒抜けだと告げてくれた。気づけば直径二メートルもある集音機の真下で囁き合っており、その台詞は永く職場の酒の肴になったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))

『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。

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