喪服姿で実家に立つ夢の通りに
どんな伝承か
昭和五十八年五月頃、仙台の妹から電話があった。宮古市の姉が、タキノさんが黒い喪服を着て宮古市の吉藤にある実家の玄関前に立っている夢を見たが、病気ではないかと心配しているという。私は笑って、大丈夫、元気でいると答えた。それから四ヶ月たった九月十四日、実家の兄が突然、心筋梗塞で急死した。まさしく夢に見られた通り、私は黒い喪服を着て実家の前に立つことになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。