高梁川の中州を守ったエノキの大木
どんな伝承か
高梁川の中州にあった我が家の畑の、一番上手にエノキの大木が立っていた。長雨や台風による大雨で川が氾濫しても、この大木が急流をゆるめる役目を果たし、畑の土砂が流れるのを防いでくれた。両親は洪水から畑を守ってくれるこの木に感謝の念を込め、大切に育てていた。戦前戦後の数十年、木はじっと畑を見守り続けたが、高度成長期にあたる昭和四十年代、河川改修と川砂利の採集の憂き目に遭い、とうとう切り倒されてしまった。両親がたいそう寂しがっていたのを覚えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)