稲小屋への落雷は雷神の大蛇退治
どんな伝承か
昭和の世になってから、本城の桶屋の稲小屋に雷が落ちて全焼したことがある。ものすごい土砂降りの雨の中の出来事だったという。あとで当家の者が神おろしをして事情を尋ねると、その小屋には大蛇が棲みついてますます大きくなるので、人に災いする前に退治してやったのだという雷神の告げがあったそうな。またその大蛇は竜になって天に昇ったとも語られた。雷除けに祀っている神が雷を落とすのでは話が合わないと村人は言い合ったが、こうして災難を前もって取り除いてくれる雷神なのだと、かえって信仰を厚くしたという。
原典より
* ○山形県北村山郡大石田町。—— 現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。