慧果阿闍梨の因縁を見抜いた客
どんな伝承か
酒が進むと前田博は慈雲をじっと見据え、あなたには慧果阿闍梨の因縁がある、中国へ行ったことはあるかと尋ねた。行ったことはないと答えながら、慈雲には思い当たることがあった。この土地に初めて来たとき、一・五キロほど離れた丹生大師と呼ばれる真言宗の古寺に詣でてから入ったこと、土地の持ち主が大師の御告げでこの地を手に入れたと聞いていたこと、そして実家が真言宗の檀家で、幼いころは毎日のように親戚の寺で過ごし、梵字の手ほどきも受けたことである。慧果は空海が唐で師事して真言の教えを受け継いだ僧で、その因縁があって当然だと慈雲は考えた。前田はさらに、その因縁を消せば心臓の発作も治るだろうと言った。
原典より
「あなたには慧果阿じゃ梨の因縁がありますね、中国に行かれた事がありますか」—— 日本の霊能者(前田博(編)・日本の霊能者) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の霊能者(前田博(編)・日本の霊能者)
『日本の霊能者』は、前田博が編んだ霊能者たちの寄稿集である。広瀬謙次郎の霊夢による予言、慈雲の神々の集会、佐藤妙栄の因縁解脱、松原照子の大予言、永田光麗の十言神呪、久遠あやの神々の警告、宮下文智の神霊治療、鶴田照子の鎮魂など、霊能者たちが自らの霊的体験や修行、予言を語った文章を収める。各寄稿の後に編者による人物紹介を付し、その間に編者の随想「霊能者のひとりごと」と、田口日勝へのインタヴューを挟む。