夜通し続いた狐の大名行列
どんな伝承か
藩政時代の芭蕉ノ辻といえば、仙台御城下の中心点ともいうべき処であったが、それでもちょっと裏通りになれば、夕方から人通りも絶える寂しさであったらしい。そんな頃のある夕方、一人の按摩がそのあたりを通りかかると、殿様の行列らしく、下におれえ、下におれえと先払いの声もいかめしく、蹄の音も聞こえてきた。あわてて土下座をしていると、しばらく行列の物音が続く。ようやく行き過ぎたのでほっとして立ち上がると、またもや先触れが聞こえてくる。こういうことが何度となく続くうちに東の空が白み、鶏が啼きだして殿様の行列も絶えた。そのあたりでも有名な、名のある狐に騙されたのであったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(宮城県史シリーズ・昭和中期(推定1960-1970年代))
宮城の民間信仰と禁忌(宮城県史民俗編)/禁忌を破る祟りと火玉/河童・狐狸の怪/年中行事と俗信/地域の幽霊・妖怪伝承