墓を暴いて生首を売る老婆
どんな伝承か
茨城県多賀郡関南村西久松の養母お竹は、七、八年前に福島県小名浜町へ流れて来て、字古屋という所の獺寺に住み、そこの墓場の番人をしていた。ある人から、人頭の黒焼が梅毒の妙薬になるから是非こしらえてくれと頼まれ、深夜こわごわ墓場を暴いて死人の頭をもぎ取り、黒焼の製造を始めた。とんだ金儲けのつるにありつき、注文は小名浜町ばかりでなく各地から続々と来て、悪婆はますます有頂天になる。やがて噂が警官の耳に入り、二十五日についに捕縛された。家宅探索では、同家の棚の上に半ば腐りかかった生首が黒々と並べてあるのが発見された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方編著・日本怪奇集成・昭和初期(推定昭和2-3年))
明治・大正・昭和の怪奇譚(日本怪奇集成)/生首と幽霊の怪/狐狸のいたずら/怪盗と世相の怪異/各時代の不思議な事件