重くなる赤児が化けた壁
どんな伝承か
文政のころ、貧しい家の女の子が七つ八つで仙台城下の商家へ子守に出された。赤児を一日じゅう背負い、お月さま神さまと始まる子守唄をうたって歩く。ある日、子守は赤児を背負ってぶらぶらしているうち、屋敷から遠くまで来てしまったことに気づき、日が落ちかけたのであわてて駆け出した。ところが背中の赤児がしだいに重くなり、ついに駆けられなくなった。重さに耐えかねて子守がひっくり返ると、赤児はいつのまにか大きな壁に化身していたという。
原典より
一三番常陸坊海尊 30二五番 竜の頭48三八番 職人女房 63三九番 蛙綿を着た娘・・・・・・64四一番旅籠の客………………………………69四二番 異国人の墓…………………………70四三番大蟹……………72四四番鬼婆………—— 東北怪談の旅(山田野理夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・1974年(昭和49年))
『東北怪談の旅』は、山田野理夫が昭和四十九年に編んだ東北地方の怪談集である。青森・秋田・岩手・宮城・山形・福島の六県に伝わる妖怪や幽霊の話、飢饉と間引にまつわる話、江戸時代の奇談などを、一番から一六三番までの短い話として収める。各話の末尾に県名を記し、恐山や飢饉の記録にふれて東北の怪談と怨念を結びつけるまえがきと、怪談観や霊能者をめぐる回想を記したあとがきを付す。