角田の町を歩く女の幽霊
どんな伝承か
大正の末、角田の町に女の幽霊が出るとうわさが立った。幽霊はただぼんやりと町のなかを歩いていくだけであった。角田の寺の僧が成仏させようと経文を唱えたが、幽霊はさびしく笑うだけだったという。大工の三五郎という男が幽霊と出会って以来、現れなくなったのは事実である。棟上げのあと酒に酔ってふらふら歩いていた三五郎は、目の前に立つ女の幽霊に、おまえは女郎かと声をかけた。幽霊が嫌な顔をすると、日が落ちてから一人で立っているのは女郎か飯盛女か幽霊だろうと言い、いきなり着物をまくり上げたのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承