四条河原に晒された勤王家本間精一郎
どんな伝承か
島田左近が殺されたのと同じころ、勤王家として知られた有志の本間精一郎も殺され、その首は四条河原に晒された。添えられた標札には、偽りを言って人々を惑わし、高貴の方々に取り入り、口先で勤王の諸藩を陥れて仲を裂いた、といった罪が並べられていた。しかし筆者によれば、このことは当時から誤解とされた出来事で、新しく興った勢力の側の乱暴のひとつであったらしいという。
原典より
また其のごや には、 間 一態と云ふ動玉家として知られてるた有志の人が 殺せられて、これ 四条河原に梟首せられた。—— 奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集)
『奇談全集 現代篇』は、田中貢太郎が幕末から大正にかけての事件や奇談を読み物に仕立てた作品集である。明治十一年に相模の真土村で起きた松木騒動、大正十五年に千葉の久賀村一帯で起きた鬼熊の事件、香取郡の連続殺人、伊賀上野の破獄、京都の天誅などを、記録や関係者の話をもとに描き、松木騒動には筆者が大正六年に現地を訪ねた補遺を付す。播磨屋橋遺聞のように、筆者自身が創作と断る話も含む。