万代池から竜が昇ったという報道
どんな伝承か
大正九年十月十二日付の大阪新日報は、大阪市近郊の万代池から最近竜が昇天し、それを見た人が大勢いるという怪しい記事を大きく載せた。これを知った大正日々新聞の記者たちは、霊主体従の新時代の先駆けを自任していただけに黙っていられず、翌朝、筧守蔵ら数人がカメラマンを連れて住吉行きの電車で帝塚まで出かけた。池のほとりを通る百姓や漁師、商人に話を聞き、岡本信之の霊能も用いて調べた結果、竜の昇天はどうやら事実らしいとつかみ、一同は意気揚々と社に戻って浅野和三郎を喜ばせたという。
原典より
すなわち、大阪市近郊にある万代池からつい最近、竜が昇天したのを見た人が多々あるというショッキングな記事を掲げたのでした。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。