獄中で楽観を貫いた磯部浅一の手記
どんな伝承か
二・二六事件で処刑された磯部浅一の獄中手記の一節が引かれている。同志が皆早死を覚悟するなか磯部だけが楽観していたため、栗原中尉らから、あなたに会うと死なない気がすると冷やかされたと記す。この手記は昭和十一年三月中旬、仙台第二師団に勤務していた花渕栄吉が、裁判の増援看守として東京陸軍衛戍刑務所へ送られた際に手に入れたものらしい。三島由紀夫はこの遺稿を、最後まで希望に満ちて筋が通っており、それこそ実践家の資格だと評し、天皇と一体化した磯部は自ら神となったのだと結んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路・幽霊・文学史・昭和)