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洗足寺の門前に浮いた白い影

所在地東京都大田区六郷(洗足寺)
年代司馬江漢の記(四十年前)
登場司馬江漢と染屋主人
出典井上円了 妖怪学講義

どんな伝承か

井上円了が司馬江漢の『春波楼日記』から引いた一話。江漢が旅先に逗留していたある日、その土地の染屋の主人と連れ立って手習いの師匠を訪ね、夜になって帰ってきた。道筋に、たらい山洗足寺という珍しい名の寺がある。家康がここを通ったとき老婆が洗濯しているのを見て名付けたと伝わる寺だ。その門前あたりに、白い衣を着けたものが腰から下を地に着けぬまま揺れ動いている。世にいう幽霊だと思って恐ろしくなり、近くの酒屋を叩き起こして先に立ってもらうと、葬式で使った紙の幡が木の枝に引っかかったままだった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

井上円了 妖怪学講義(井上円了 著・平野威馬雄 編)

『井上円了 妖怪学講義』は、明治期に哲学館で講じられた井上円了の『妖怪学講義』から要所を選び、平野威馬雄が現代の文章に改めて編んだ抄録である。狐憑きや化物屋敷、怪火、幽霊、コックリなどを題材に、円了が古書から抜き出した記事、各地から寄せられた報告、円了自身の現地での調べを収める。原著の八部門のうち理学・心理学・宗教学・雑の四部門を章に立て、序で研究の経緯と分類を、結びで編者の見方を述べる。

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