女の子が背負って歩くオコナイサマ
どんな伝承か
山形ではオシラサマにあたる家の神をオコナイサマと呼ぶ。西田川郡田川村の蓮華寺部落は百二十戸ほどの集落だが、そこに十七組のオコナイサマが祀られていた。旧暦九月の節供の翌日から二日のあいだ、稲葉の風にあてると称して、祀る家の娘が晴着姿でこの神を背負い、一軒ずつ米を貰って歩く。集めた米で二日目の晩に飯を炊いて振る舞った。三日目の午後には主婦が背負って神主の家へ行き、衣を替えて祝詞をあげてもらう。巫女はここまで関わらず、蚕神としての信仰も入っていない、家の神であり女の神であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。