一人欠けると告げた夢と誕生寺
どんな伝承か
鳴川町の誕生寺は、中将姫がこの地で生まれたことからその名がついたという。父の藤原豊成は長谷寺の観音に子を授かるよう願をかけていた。満願の夜、夢に現れた観音は夫婦に向かい、子を与えるかわりに二人のうち一人が欠けることになるがそれでよいかと問うた。夫婦はそれでも構わないと答え、十二か月ののちに玉のような姫が生まれたと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。