巡礼を救い首を落とした安立の地蔵
どんな伝承か
南高野街道の側に地蔵堂がある。安置されているのは行基菩薩の彫刻と伝わる石像である。言い伝えによれば、昔、西国順礼がこの場所で賊に襲われたとき、尊像が動き出して順礼を助けた。夜が明けて見ると、地蔵の首が地に落ちて血が流れていたという。順礼は深く感じ入って涙を流し、再び拝んで去った。それゆえ世に首截地蔵と称される。今もこの尊に祈る者には霊験があると言い伝えられている。『摂陽群談』巻十三に載る一条である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。