猫の恩返しで葬式を出した小僧
どんな伝承か
寺で飼われている猫が、魚を食べさせてくれないので魚が食べたくて化けるようになり、魚屋を招いた。魚屋がおかしいと思って見ると猫なので和尚に知らせ、和尚は猫を小僧に捨てさせたが、小僧は猫にいわしを食わせて山に捨てた。十日ほどのち頭元に葬式があったが、風雨雷鳴で出せない。小僧は猫から、恩返しに小僧が行けば葬式が順調にできると聞いていたので出かけた。天気がよくなって葬式が出せたので、小僧は礼をもらい、いい寺の和尚になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。