サムトの婆の帰還
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どんな伝承か
黄昏時に女や子どもが家の外に出ていると神隠しに遭うことは、他の国々と同じである。松崎村の寒戸という所の民家で、若い娘が梨の樹の下に草履を脱ぎ置いたまま行方知れずになった。三十年あまり過ぎたある日、親類知音の人々がその家に集まっていた所へ、ひどく老いさらばえたその女が帰って来た。どうして帰って来たのかと問うと、人々に逢いたかったからだと答え、それではまた行くと言って、再び跡を留めず去った。その日は風の烈しく吹く日であった。それゆえ遠野郷の人は、今でも風の騒がしい日には、今日はサムトの婆が帰って来そうな日だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。
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遠野市の伝承
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