高木町の荒神墨と川童
どんな伝承か
水虎考略後篇巻三の新聞雑記に載る川童の話の一つ。佐賀高木町の商家の娘で十一二歳の者が、寺子屋の帰りに隣家の童子に会い、観音院の前の川で遊ぼうと約束した。家へ戻って食事をし、出て行こうとする時、親がこれを聞いて用心のために竈の神を拝ませ、荒神様守りたまえと言ってその子の額に竈の墨を塗って出した。約束の童子は近づくと娘の額を見て、お前は荒神の墨を戴いて来たからもう一緒に泳ぎたくないと言い、憮然として去った。それで童子が川童であることが知れたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。