麻布の小豆ばかり化物
どんな伝承か
怪談老の杖巻三に「小豆ばかりと云ふ化物の事」と題する話がある。麻布近所の二百俵ばかり取る大番士の家で、夜分にはらりはらりと小豆を撒くような音がした。後にその小豆の音は次第に高くなり、ついには一斗ほどの小豆を天井の上で量るような音になり、間を置いてはまたはらはらと鳴ることがしばらく続いてやんだという。柳田国男は、小豆はもはや土橋の下ばかりで洗われているのではなく人家の天井の上でも活躍しているとして、小豆洗いを鼬や貉だけでは説明し尽くせぬ証とした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。