加賀山中温泉の火取魔
どんな伝承か
火取魔という名は、加賀の山中温泉の一例が『民間伝承』三巻九号に報告されたきりだと柳田国男は記す。路傍に悪い狐がいて蝋燭の火を取るという類の話は諸所にあるが、この霊が果たして蝋燭などを食うものかどうかは分からないという。石川県には、怪物の力で提灯の火が一時細くなるという言い伝えもあり、同様の例が他にもないか確かめてみたいと結んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。