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マヨヒガの帰りに流れ着いた赤椀

所在地岩手県遠野市
年代二三代前
登場三浦某の先祖の妻
出典定本柳田国男集 第4巻

どんな伝承か

小国の三浦某という者は村一の金持である。今より二三代前の主人はまだ家が貧しく、妻は少しく魯鈍であった。この妻がある日、門の前を流れる小さな川に沿って蕗を採りに入り、次第に谷奥深く登ると、立派な黒い門の家があった。庭には紅白の花が一面に咲いて鶏が多く遊び、牛小屋にも馬舎にも牛馬が多いのに人はいない。玄関から上がると朱と黒の膳椀が取り出してあり、奥の座敷には鉄瓶の湯がたぎっていた。恐ろしくなって駆け戻ったが、後日、家のカドで物を洗っていると川上から赤い椀が流れて来た。これをケセネを量る器にすると穀物が尽きず、家はついに今の三浦家となった。遠野では山中の不思議な家をマヨヒガという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。

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