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天狗森の麓で若者を投げた大男

所在地岩手県遠野市松崎町松崎(天狗森)
年代二三十年前
登場相撲好きの村の若者某
出典定本柳田国男集 第4巻

どんな伝承か

松崎村に天狗森という山がある。その麓の桑畑で村の若者某が働いていると、しきりに眠くなったので畑の畔に腰掛けて居眠りしようとした。すると非常に大きな男で顔の真赤なのが出てきた。若者は日頃相撲の好きな男で、この見慣れぬ大男が立ちはだかって見下ろすのを面憎く思い、立ち上がってどこから来たかと問うたが答えない。突き飛ばそうと飛びかかった途端、かえって自分の方が飛ばされて気を失った。夕方に正気づくと大男はいない。その秋、早池峯の腰へ馬を曳いて萩を刈りに行った際にこの男だけが姿を消し、深い谷の奥で手も足も一つずつ抜き取られて死んでいたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。

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