山口のダンノハナと蝦夷屋敷
どんな伝承か
ダンノハナは昔、館のあった時代に囚人を斬った場所であろうという。地形は山口のも土淵飯豊のもほぼ同様で、村境の岡の上にある。山口のダンノハナは犬洞へ越える丘の上で、館跡からの続きである。蓮台野はこれと山口の民居を隔てて相対し、四方はすべて沢である。東はダンノハナとの間の低地、南の方を星谷という。この所には蝦夷屋敷という四角に凹んだ場所が多くあり、跡はきわめて明白で、多くの石器を出す。石器土器の出る処は山口に二か所あり、他の一つは小字をホウリャウという。蓮台野の土器は技巧がなく、ホウリャウのは模様も巧みで埴輪も出る。蓮台野には蝦夷銭という土で銭の形をした物が多く出るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。