サルを猿回しと取り違えたじゅえむ
どんな伝承か
「じゅえむどん、今日はサルが上がったら暇に来いよ」と言われたところ、日が傾くとすぐに暇を取って上がって来た。サルというのは、夕方になると稲の先へ夜露が下からすうっと吸い上がることを指す言葉であったが、じゅえむはこれを猿回しと取り違え、猿回しが通ったので仕事を仕舞って帰って来たのだという。「今日は随分帰りが早いじゃないか」と問われて、猿回しが通ったからと答えたと語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。