8⑪ でんげの話
どんな伝承か
じゅえむの主人の屋敷と隣の屋敷との境に大きな木が植わっており、育つにつれて枝が主人の側へかぶさってきた。困るから下ろしてくれと頼むと、隣家は元はうちの木だ、こちらにあるのだからどうこう言われる筋合いはないと言って切るのを断った。そこでじゅえむは、昔の土葬の葬いで棺の上にかぶせる「てんげ」を紙で作らせ、長竿の先に付けて隣家の屋根のおもしの上へ掛けてしまった。それだけはよしてくれと言われても、もとはこっちだと同じ理屈で返した。てんげは人の嫌うものなので、隣はとうとう謝ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和56年頃刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第2集』を全200話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。