三つの頭を持って生まれた猫
どんな伝承か
明治一五年五月二日の陸羽日日新聞に、宮城郡原ノ町にある蔵下の旅人宿、加藤久左衛門方の飼猫の記事が載った。一昨々夜に産んだ猫児は頭を三つ具え、耳も目も口も鼻もことごとく備わっていて、ただ首から下は普通の猫と変わらない。今も蠢いており、多分息災に成長するだろうと記され、好事の人は行って見たまえと結ばれていた。三面八臂の鬼神、二頭四脚の艶史になぞらえて紹介された記事であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。