煙草の煙で大蛇を追い払った男
どんな伝承か
湯原からちょっと先へ行った所に田羽根という部落があり、田羽根をずっと奥へ行くと深山がある。昔から秋になると鹿が角を落とし、鹿の角を一振り拾えば一年寝ていても食えるというほどであった。角は熱取りの漢方薬になったからである。女が二人連れで鹿の角を捜しに行き、人の背の二倍も三倍もある荒茅を分けて奥へ入って行くと、男が一人、先に鹿の角を捜していた。その男は深山を知り尽くした人で、蛇がいると感づいて煙草を吸いながら出て来た。すると丸太を投げたような大きな蛇が木の上から追いかけて来たので、胴乱の煙草を団子にして火をつけ、蛇にいぶりつけた。すると蛇は荒茅に筋をつけて深山へ入って行ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)