安達ヶ原に住む鬼女の一軒家
どんな伝承か
見知らぬ土地へ一人旅に出ると、正常な人でも被害感を起こしやすいものである。数ある怪談のなかでも、泊めた旅人を殺しては金品を奪い取っていたという安達ヶ原の鬼女の物語には、妙に現実感があって恐ろしい。謡曲『黒塚』に出てくる鬼女は残る色香もなまめかしい美女で、旅人も東光坊ら三人連れであるが、姫の薬にと生肝を取るうちに食人の味をしめた老女岩手のように、たいていは薄気味の悪い老婆が一人旅の旅人を殺す話になっている。人も少なく治安の悪かった昔、山中の一軒家では泊まる方も宿を貸す方も命がけであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の科学――幻覚の心理を探る(中村希明・中村希明・精神医学・昭和(精神医学))
幽霊や怪異を脳と心理(幻覚)の科学で解明する。