大阪の空に現れた三つの太陽
どんな伝承か
昭和七年四月二十九日の午後、大阪の空に三つの太陽が現れて人々を驚かせた。これは「幻日」と呼ばれる現象で、太陽の両脇に鈍い白光を放つ二つの幻の太陽が並んで見えるものである。この日は約四十分間続き、翌三十日朝には再び現れて約三時間続いた。大阪毎日新聞社観測台の職員が外暈や天頂弧なども合わせて観測しており、出現時間が三時間という珍しさから気象観測上の貴重な収穫になったといわれている。
原典より
二十九日午後、大阪の空には、三つの太陽があらわれて、人々を驚かした。—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。