欲しがった食物を腐らせる神さん
どんな伝承か
山口県萩地方では犬神のことを「神さん」と呼ぶ。神さんの家の者が食物を欲しがると、その食物は必ず腐ってしまうと信じられていた。小学校である生徒の弁当が腐った際、同じ組に神さんの家の子がいたため、その子が欲しがったのだろうと噂しあった。酒屋は新酒ができると真っ先に神さんの家へ供え、酒を腐らされないようにしたという。
原典より
神さんの家の者に欲しいと思われた食物は何でも腐ってしまう。—— 怪談の世界(山田野理夫・1978年(昭和53年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・1978年(昭和53年))
『怪談の世界』は、山田野理夫が昭和五十三年に著した怪談の研究随筆である。遠野での佐々木喜善と柳田国男の出会いから説き起こし、家・山・木・石・道・水・火に現れる妖怪、憑き物、鬼と天狗、生霊・死霊・幽霊の話を、著者の聞き書きや各地の民俗資料、古典・芝居から集め、沖縄の話で結ぶ。章立ては江馬務と柳田国男の妖怪分類を参考にしたもので、民俗学の資料と文学作品の両面から怪談をとらえようとしている。