障子に映る影女と鉦鼓の婆
どんな伝承か
鶴岡城下の酒井吉左衛門の屋敷を、友人の増田某が激しい雨の日に訪ねた。連子格子の物見窓から若い女が顔を出しているのを見て会釈し、内儀を見たと告げると、吉左衛門は物見窓に障子はないと答えた。酒宴の間、妻女は姿を見せない。雨が止んで薄日が差すと障子に女の影が映り、吉左衛門は、あれは影女です、これが出るとこの屋敷には化け物が集まっているようですと言い、妻を亡くしてから女気を置かないと語った。やがて庭に美しい女が現れ、増田が辞去すると、門前では鉦鼓を首に懸けた婆がふらふらと行き来していた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承