亡者が注文した百人分の膳
どんな伝承か
仙台城下に三原屋という酢屋があった。近江から流れてきた主人は何を商っても失敗続きだったが、書物好きの老人に酢屋を勧められ、山林を売った金を用立ててもらって河原町に店を開き、繁盛して仕出しも兼ねた。三年後、老人が金を返してほしいと訪ねてくると、主人は借りた覚えはないと番頭に追い出させた。老人は釈迦堂裏の杉で首を吊り、亡者の仲間に入った。やがて亡者の客が法事の仕出しを注文し、三原屋は百人分の膳を正楽寺へ運んだ。飲み食いののち、今日の法事は首を吊った老人のだと告げられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承