物置小屋の棚に並ぶ五つの生首
どんな伝承か
秋田市M町にある呉服屋の貸家で起きたという怪異。最初に借りた中年夫婦と二十歳の娘のうち、娘がすすり泣くようなうめき声を毎夜聞き、一週間ほど後に声のする物置小屋へ入った。棚の上に女のものを含む五つの生首がのっているのを見て気を失い、倒れた拍子に鎌で足首を切って寝たきりになった。やがて娘は物置小屋で口と耳から血を吹いて死んでいた。郷土史家が調べると、その敷地は佐竹藩の刑場があった跡だと分かった。その後も借家人から首つりや事故による変死者が出たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けは生きている――科学にとり残された霊の世界』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した、怪異と心霊をめぐる読み物である。読者から寄せられたお化けの報告や沖縄の刑場・遺念火の話、霊視の体験、近世随筆に見える妖草妖木・狐・天狗・人魂などの物の怪、フォックス家事件やクルックスの実験など欧米の心霊研究を扱う。著者が始めた「お化けを守る会」の由来、西丸震也・星新一との座談会、透視や念力を試すテストを含む全七章に、あとがきを添える。