怪力玄蕃が造った一背負門
どんな伝承か
楢原の大竹玄蕃は筏乗り木流しを業とし、鶴沼川や大川の水を集める阿賀野川を筏で下って越後の海まで出た。ある年、雨屋村の河岸で釣りをする人に、いま釣れるから待てと命じられ、長く待たされて焦れた玄蕃は、七組の筏を石河原へ引き揚げ、大地が割れそうな音を立てて引きずり出した。驚いた相手は会津藩家老の簗瀬三左衛門で、その怪力に感歎して屋敷へ遊びに来いと約束した。玄蕃は改めて家老宅を訪れて正客として馳走になり、その礼に銘木材を背負って届け、立派な門を造った。簗瀬家のいわゆる一背負門である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説(下郷町(編)・下郷町史)
『下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説』は、会津の下郷町の町史民俗編のうち、町内の伝説を集めた第二節である。鏡沼の大蛇や二岐山のダイタンボウ、狼に食われた祖母、湯野上温泉猿湯の由来、高倉宮以仁王と桜木姫・紅梅御前の落人伝説、伊達政宗の戦の悲話、小野の長者と小野観音の金の鰐口などを収める。伝説を自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分け、各話に地名や供養塔・墓・文化財の現状を書き添えている。