無理死の霊が集まる藤墓
どんな伝承か
藤墓は、自殺をしたり人に殺されたりというように、無理死をした人たちのたましいが集まるところだとされている。そうしたたましいでも死後三十三年を経過すれば、この山を去って月山へ行くといわれ、山形市の山寺へ行くと説く者もある。清水の森の山は、頼朝が奥羽を追討した際、これを防いで死んだ田川太郎とその従者たちを葬ったところだともいい、天正年間の十五里原戦争の死者を埋葬した場所だともいう。藤墓のあたりからは土葬された人骨がおびただしく出土したことがあるといい、これらの伝承は無下に否定できない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。