吹雪に乗じて子をさらう一本足の山神
どんな伝承か
青森県中津軽郡新和村の山の神は一本足で一眼だという。山神祭りの旧暦十二月十二日のころはきまって吹雪が激しく、この日、醜い顔をした山の神が吹雪に乗じて里へ下り、大きなかますを背負って子どもをさらっていくといわれている。そのため当日、里人は大きな草鞋か草履を片足だけこしらえて山の神に供えるのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河童・天狗・妖怪――民俗随筆(武田静澄・武田静澄・民俗随筆・1956年(昭和31年))
『河童・天狗・妖怪――民俗随筆』は、武田静澄が昭和三十一年に著した民俗随筆である。天狗と神かくし、河童、座敷わらし、山の神と山の妖怪、狐狸とつきもの、水辺や海の亡霊、死霊と御霊などをめぐる伝承を、『今昔物語』などの古典の説話と各地の民俗の事例から集めて語る。短い見出しを立てた小文を連ねる形をとり、神かくしにあう心理や幻覚、お化けの心理にも触れて、妖怪を信じる心のはたらきを考える。