赤い鳥に憑かれた子と神の告げ
どんな伝承か
母親は、火がついたように激しく泣きやまぬ我が子を抱いて、野原や川岸をあやし歩いたが、どうしても泣きやまなかった。熱もなく病でもないので困り果て、ある夕暮れ、家に戻って子を寝かせ、静かな低い声で子をなだめる歌を唄った。青白い月の出た晩で、母もついに悲しくなって泣き、神に何の障りかと祈った。すると第一の窓の梁の上から神の声がして、泣くのは天然痘の悪魔が赤い鳥フレパシコロカムイに化け、船で川に入り込んで子に取り憑いたからだ、臭いものを食べさせよと告げた。母が樹皮や人参、アイヌ葱など臭気の強いものを集めて飲ませ、悪魔の退散を祈ると、翌日から子は泣きやんで笑顔を見せたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第1巻』所収の「文化叙事伝説」48話(北海道・青森)を収める。各話は伝承地を市町村〜字レベルまで明記し、例話・類話・文献を備える。