芋をめぐる姉妹と郭公時鳥
どんな伝承か
郭公と時鳥は昔あった姉妹だという。姉の郭公はある時芋を掘って焼き、そのまわりの堅い所を自分が食い、中の軟らかい所を妹に与えた。妹は姉の食う分の方が一層旨いに違いないと思い、庖丁で姉を殺してしまった。姉はたちまち鳥となり、ガンコ、ガンコと啼いて飛び去った。ガンコとは方言で堅い所のことである。妹は、さては良い所ばかりを自分にくれたのだったと思い、悔恨に堪えず、やがて自分も鳥になって庖丁かけたと啼いたという。遠野では時鳥のことを庖丁かけと呼び、盛岡辺では時鳥はどちゃへ飛んでたと啼くという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。