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芥子の花咲く寺で会う父と子

所在地岩手県遠野市土淵町飯豊(キセイ院)
年代不明
登場飯豊の菊池松之丞
出典定本柳田国男集 第4巻

どんな伝承か

飯豊の菊池松之丞という人が傷寒を病み、たびたび息を引き詰めた時のことである。自分は田圃に出て菩提寺のキセイ院へ急ごうとした。足に少し力を入れると図らず空中に飛び上がり、人の頭ほどの高さを次第に前下がりに進む。また力を入れれば初めのように昇る。何ともいえず快い。寺の門に近づくと人が群集している。訝りながら門を入ると紅の芥子の花が咲き満ち、見渡す限りも知れない。その花の間に亡くなった父が立ち、お前も来たのかという。なお行くと以前失った男の子がいて、今来てはいけないという。この時、門の辺りで騒がしく名を呼ぶ者があり、心も重く引き返したと思えば正気づいた。親族が水を打ちそそぎ蘇生させたのであった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。

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